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開催・報告・お知らせ
感染症発生動向調査事業活用によるPCR検査の体制強化のための研修会参加報告
2020.11.03
感染症発生動向調査事業活用によるPCR検査の体制強化のための研修会参加報告
富山県臨床検査技師会 常務理事 田近 洋介
富山大学付属病院において感染症発生動向調査事業活用によるPCR検査の体制強化のための第3回研修会が10月24日に開催され参加してきましたので報告致します。この研修会はCOVID19(新型コロナウイルス)の流行を背景に社会での感染症における検査体制の拡充の必要性から行政による事業を富山県臨床検査技師会(富臨技)が委託を受け、実際にCOVID19(新型コロナウイルス)のPCR検査を行っている富山大学附属病院 検査部(臨床検査技師長 上野智浩 博士)においてウイルスの検出を目的として行われたPCR実技講習会です。
内容は、病原体検出マニュアル2019-nCoV Ver.2.9.1と219新型コロナウイルス検出試薬キット 簡易マニュアルを用いてマニュアル方法に沿った内容で実技を行い、疑問点や各病院の使用機器の違いなどは、その都度質疑応答する形で行いました。
始めに前処理(ウイルスからRNA抽出)を行いますが、模擬の検体であっても緊張感がありました。安全キャビネットやクリーン・ベンチなどの設備が無いと我々医療従事者から感染を広げる恐れもあるため、設備が整わないと行うことが出来ないとこの講習でも再認識しました。(写真1)
次に試薬調整と肝心のリアルタイムRT-PCR増幅を行いました。ここでは、試薬が2μL、6.5μLの2つ計3つを入れさらに、検体を10μ入れる作業を行いますが、量が少なく、さらに微量の遺伝子を増幅させるためコンタミネーションに気をつける必要があり、ピペッテング操作の正確性が求められる作業でした。また、サンプルチューブの側面にある試薬2μLを側面に落とすために専用の遠心機を用い、細かい作業も続き手間も時間もかかる検査だと言うことを再認識させられました。(写真2)
そして、結果の判定では検出グラフから陽性か陰性かを機械では無く、自分自身で判定を行わなければならず、検査はどれもそうですが絶対間違えることの出来ない検査で確実に行う必要がある検査だと思いました。(写真3)
富臨技では、このようなCOVID19(新型コロナウイルス)のPCR検査実習を、あと数回行う予定となっております。国難と呼ぶべきこのCOVID19(新型コロナウイルス)の流行に伴う検査体制充実については、我々富臨技はもとより、日本臨床検査技師会(日臨技)(会長 宮島喜文)でも取り組んでおり、日臨技のホームページでも紹介されていますので、皆様もぜひ一度ご覧ください。
また、今回実習を行って頂きました富山大学附属病院 上野 技師長(富臨技 副会長)はPCR検査を行う際の相談を受けて頂けますので、ご依頼なさる方は富臨技 事務局(TEL 076-429-4309 e-mail:tamt@jasmine.ocn.ne.jp)までお問い合わせください。
写真1:クリーン・ベンチ内での作業
写真2:サンプルチューブを遠心機にセットしている様子
写真3:(SARS-CoV-2)N遺伝子の結果の解釈方法について