一般社団法人富山県臨床検査技師会

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開催・報告・お知らせ

日本臨床栄養代謝学会学術集会に参加して

2023.06.13

厚生連高岡病院 村中 結香子

5月9日~10日の2日間、兵庫県神戸コンベンションセンターで開催された日本臨床栄養代謝学会学術集会に参加させて頂きました。公募演題数は816題で現地参加された人数は約8000人と多くの人で賑わっていました。コロナ以前は約1万人ほどの参加人数の年もあったらしく、いかに多職種の方々で担われている分野か改めて認識しました。

NST(栄養サポートチーム)とは様々な職種で構成され、それぞれの専門知識や技術により、安全かつ有効な栄養管理を患者に提供することを目的としています。栄養管理を怠れば、せっかくの治療の効果を十分に発揮できないだけでなく他にも様々な合併症を引き起こす原因にもなってしまいます。

NSTにおける検査技師の役割とは、以下の事が挙げられます。

  • 栄養療法が必要な症例の抽出(スクリーニング・アセスメント)
  • 対象症例の適切な検査及び検査内容についての助言
  • 症例の検査データ管理
  • 栄養評価に関する検査の情報提供
  • 新しい知識の取得と啓発

(一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会(2023)日本臨床栄養代謝学会 栄養療法ポケットブック p109-110 より)

当院でも毎週木曜日NSTカンファレンスの際に、検査技師がNST対象患者一覧と褥瘡報告が挙がった患者の一覧を作成しています。

今回の学会では様々な職種の方々がどのようにアプローチしているのか勉強になるような演題を多く聴講出来ました。特に同職種の検査技師の演題では褥瘡患者を評価する際に亜鉛と共に有用な検査項目との関連を検討した演題があり、大変勉強になりました。

検査技師の通常業務では栄養療法、経管栄養、輸液療法に関してあまり触れないためサポートをするには少し難しい分野ですが、検査データと患者の病態をリンクさせて把握できることは検査技師の大きな強みだと思いました。

NSTのチーム医療として求められる検査技師とはどのようにアプローチすべきか、求められる像とはどのようなものか、考えられる良い機会になりました。病状の改善や栄養管理の成果を判断できるように正確な検査データを報告できるよう日々のルーチンに努めることや、検査データの数値と患者の状態を結び付けられることまたそれらを端的に説明できるような技師が求められているのではないかと思います。

大変貴重な勉強の機会を頂くことが出来、ありがとうございました。今回学んだことを今後の仕事に役立てていきたいと思います。