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珈琲ブレイク 2024年12月<我が家のお雑煮>
2024.12.01
我が家のお雑煮
富山県立中央病院 岡崎 千尋
はやいもので、今年も残すところあとわずかとなりました。新年といえば、お雑煮ですね。みなさんはどのようなお雑煮を食べて(作って)いますか?我が家は,昆布のだしにしょうゆベースのつゆ、具材は鶏肉、にんじん、ごぼう、油揚げ、すり身、こんにゃく、ねぎ、かまぼこなどを入れ、焼いたお餅で食べます。
ひとくちにお雑煮といっても、家や地域によって、本当にいろいろな種類がありますよね。一般的には、東日本ではしょうゆベースのすまし汁が多く、西日本では味噌を使ったお雑煮が多いそうです。島根県や鳥取県の一部では、ぜんざいのような甘いお雑煮(「小豆雑煮」というそうです)を食べる地域もあるとか。
味付け以外には、餅の形や調理方法もさまざまで、東日本では「角餅を焼く」、西日本では「丸餅を煮る」が一般的だそうです。角餅を使うか、丸餅を使うかの境目は、関ヶ原あたりだそうで、この境界線付近である岐阜県や石川県、福井県、三重県、和歌山県あたりでは、どちらも使うという地域もあるそうです。餅の形については諸説ありますが、もともとは丸い形であった餅を、平らにのばして切り分けるという手法が江戸でうまれ、角餅が拡がったといわれています。
具材については、一般的に東日本のお雑煮は鶏肉やかまぼこ、大根、にんじん、三つ葉などが使われることが多く、西日本では色鮮やかな金時にんじんや普通より細い大根、かしらいもなどが欠かせないそうです。とはいってもお雑煮の具材はその土地や地域によってさまざま。普段はあまり使わない、珍しい食材を使うところもあり、宮城県・仙台の「焼きハゼ」などがそうです。大ぶりのハゼを焼き干して作るもので、なかなか手に入りにくい食材だそう。
全国的にも珍しいお雑煮が、調べると結構見つかります。最後に、私が印象に残ったお雑煮をいくつかここでご紹介します。
① 青森県・八戸や佐賀県・伊万里などのくじら雑煮。捕鯨基地などがあった影響だそうで、くじら独特の風味がだしにしみ出て、くじらのコリコリとした食感が楽しめるのだとか。ほかの具材は、青森ではねぎ、じゃがいもなど。佐賀県ではささがきごぼうに白菜、青菜など。
② あん餅雑煮。香川県では、いりこだしに甘い白味噌仕立て、具材は大根、金時にんじん、あおさなど。熊本県ではすまし汁に縁起物である切り昆布やするめ、大根、にんじん、ちくわなど具だくさんでいただくそうで、大分県ではいりこだしのすまし汁にかつお菜を入れていただくのが定番のようです。
③ 納豆雑煮。熊本県・山鹿市、福岡県・うきは市、大分県日田市の一部で食べられているそう。熊本県・山鹿市では納豆にどっさり砂糖を入れていただく方もいるそうで、意外な食べ方にびっくりです。
さまざまな楽しみ方があるお餅ですが、切り餅(50グラム/1個)2個は、ご飯茶碗1杯(150グラム)に相当します。食べ過ぎには注意して、楽しみたいものですね。