-
トップ > 報告・お知らせ > 重要なお知らせ > 新型コロナ感染症関連 > PCR検査研修会参加報告
開催・報告・お知らせ
PCR検査研修会参加報告
2020.12.12
「臨床検査技師に対する新型コロナウイルス感染症の診断を目的としたPCR検査のための
鼻腔・咽頭拭い液の採取に関する研修」研修会参加報告
富山市医師会健康管理センター 石川 幸和
富山県医師会館にて「臨床検査技師に対する新型コロナウイルス感染症の診断を目的
としたPCR検査のための鼻腔・咽頭拭い液の採取に関する研修」実地研修会が11月28
日に開催されました。
本研修会は、新型コロナウイルス感染対策としてPCR検査のために必要な検査採取の
要員を確保し、体制を整備および充実させるため行政事業から富山県臨床検査技師会(富
臨技)が委託を受け開催することとなりました。
なお、この研修会は、日本臨床衛生検査技師会(日臨技)が実施している「検体採取等
に関する厚生労働省指定講習会」未受講者を対象として、新型コロナウイルス感染症に特
化した内容で実施し、指定講習会を受講していなくてもPCR検査のための鼻腔・咽頭拭
い液の採取を特例的に実施が可能とすることを目的としたものです。
この研修会は、1.日臨技HPの「WEBによる検体採取の基礎研修会」を視聴修了した後、2.実地研修(実技指導)を受講することができます。
1. WEBによる検体採取の基礎研修会のカリキュラム内容です。
①『研修会の趣旨説明』 講師:宮島 喜文 先生(日臨技 会長)
②『新型コロナウイルス感染に関する基礎知識』 講師:小坂 健 先生(東北大学)
『新型コロナウイルス感染症に対する感染管理の基本』 講師:坂本 史依 先生(聖路加国際大学)
③『鼻腔咽頭からの検体採取の基礎知識』 講師:吉田 尚弘 先生
④『正しいPPE着脱ならびに検体採取の方法』 日本耳鼻科学会 作成・監修
2.実地研修(実技指導)の内容です。
講師:富山大学附属病院 感染症科 宮嶋 友希 先生をおむかえし、『鼻腔からの検体
採取』・『個人防護具の着脱方法』の実際について実演を交えながら講演いただきました。
検体採取方法・個人防護具の着脱する際のポイントを紹介します。
【個人防護具の着用のポイント】
ポイント①【N95マスク装着後はユーザーシールチェック】
a.両手でマスクを覆う。
b.息を強く吐き出す。
c.マスクと顔の隙間から空気が漏れないことを確認する。
ポイント②【手首の露出は、NG】
ガウンの袖を1cm切込みを入れ穴を作る。その穴に親指を入れ、袖ずれを防ぐ
ことができる。
ポイント③
N95マスク➡キャップ➡シールドマスクの順に装着
髪は、キャップ内にすべて入れる。
ポイント④
アウター手袋でガウンの袖を覆う。
【検体採取のポイント】
患者にマスクを下げてもらい、鼻孔のみ露出させる。
患者の正面に立つのはNG
患者の背後に回り、声掛けをしながら鼻腔底に沿って綿棒をすすめる。
上咽頭を突き当たったら綿棒を数回回転させる。
検体を採取したら直ちにマスクを上げさせる。
【個人防護具の脱衣のポイント】
防護具を脱ぐ行為が、最も感染リスクが高い。慎重に行う。
ガウンを脱ぐ際、腕を伸ばし、できる限り体から離した状態行う
裏が表になるように、小さくまとめる。
ガウン➡シールドマスク➡キャップ➡N95マスクの順に外す
顔廻りの防護具を外す際は、毎回手指消毒を行う。
日臨技 宮島会長のメッセージにありました「今だ新型コロナ感染症、未知なるウイ
ルスとの戦いはこれからも続く。感染症と持続的に付き合いながら様々な状況をコント
ロールしていくことがこれから求められると言われています。それには体制づくりが重
要である。この状況下で我々は最大限の努力をはらわなければならない。国民として、
医療人として、検査技師としての役割は大きいものである。この事実を受け止め使命を果
たすべき時だ」このお言葉に強く感銘をうけました。
本研修会にご尽力いただきました日臨技 宮島会長をはじめ富山県、富臨技 南部会長、
澤井副会長、上野副会長、関係者の方々に深く感謝申し上げます。